大池病院たより

2014年7月9日

熱中症予防

毎日暑い日が続いています。本格的に夏になった訳ではないのに、すでに30度以上の真夏日や、35度以上の猛暑日を記録した所もあり、外出するのが億劫になるくらい気温の上昇が目立ちます。このように暑いと、熱中症になる方が増えてきます。毎年約4万人以上の方が、熱中症により救急搬送されているそうです。

熱中症予防では水分補給がポイントの1つとして挙げられますが、正しく行わなければ意味がありません。
熱中症等の脱水症状時では、水分だけでなく、塩分やカリウムといった電解質も失われています。そのため、単純に水を飲むだけでは症状は改善しません。このような時は、経口補水液(Oral Rehydration Solution; ORS)が有効です。経口補水液は水分と電解質が体内で速やかに吸収されるように、ナトリウムとブドウ糖の濃度をバランスよく調整した飲料です。スーパーやドラッグストアでも購入できますが、家庭でも簡単に作ることができます。水1リットルに対して砂糖40gと塩3gを溶かすだけで、経口補水液の出来上がりです。ぜひ試してみて下さい。
ちなみに、「スポーツドリンクで代用できますか?」というお問い合わせも多数頂くのですが、市販のスポーツドリンクは経口補水液よりも電解質濃度が低くて糖分が多いので、やはり脱水症状時には経口補水液が適しています。
水分補給のタイミングですが、のどが渇いてからではなく、のどが渇く前に行いましょう。そして、のどが渇かなくてもこまめに水分補給を行いましょう。そうすることで、脱水症の一歩手前で症状が出ていない「かくれ脱水」を防ぐことができます。

熱中症は、意外と私達の身近に潜んでいるものです。正しい方法で熱中症予防を行い、暑い夏を一緒に乗り切りましょう。