大池病院たより

2013年4月17日

作業療法とは

大池病院では、平成25年1月から、作業療法が始まりました。
作業療法は、リハビリテーションの一つですが、リハビリテーションと聞くと、体の不自由な方が棒につかまって歩く練習をする場面などが思い浮かべやすいかと思います。
それに対して、精神科でのリハビリテーションは、イメージが浮かべにくいためか、「精神科の作業療法ってどんなことをするの?」と、よく尋ねられます。
また、作業と言うと、手作業や手工芸などのイメージが強いように感じられますが、作業療法では、私たちが生活するためにしている活動すべてを作業ととらえています。
たとえば、朝起きて、ご飯を食べ、仕事に行って、仕事をして…と毎日仕事に行くために生活リズムを整えたりきちんと食事をとったり、ストレスがたまってきたら趣味活動をして発散したり、疲れてきたら少し休憩したり、といった活動が作業に含まれます。
そうした患者さんそれぞれの、生活における目標に対し、活動を通してお手伝いをすることが作業療法であると思います。

現在、大池病院の作業療法では、手芸や運動、カラオケなどの活動を行っています。
それらの活動を通して、気分転換をする、集中力を高める、人との付き合い方を学ぶなど、個々の目的に応じて参加していただいています。
具体的な内容としましては、3月12日に病院全体でのレクリエーションで、ひな祭り会がありましたので、ひな祭り会に出せるような合同作品作りを行いました。
薄い和紙を丸めて広用紙に貼り付け、大きなお雛様とお内裏様を作り、ひな祭り会でも目立つところに飾りつけることが出来ました。
この和紙を丸める活動では、いつもはぼんやりと眺めていた方が自ら取り組まれるという場面がみられ、その方はそれ以後の活動でも積極的に参加し、取り組まれるようになり、大きな変化がみられました。
新しい活動を取り入れるたびに、患者さんの様々な反応が見られます。今後はどんなことを取り入れたら興味を持っていただけるだろうかと、日々思いを巡らせています。