大池病院たより

2013年9月15日

飾りつけの持つ力

お祭りや季節の行事の飾りつけは、世界中のいろいろな地域で行われており、その歴史も様々です。
行事の飾りつけで世界的に有名なものといえば、やはりクリスマスでしょうか。クリスマスツリーやサンタクロースなど象徴的なものが多く、すぐに頭の中で想像できます。

日本にもお正月や七夕、その他四季折々の行事において日本独自の飾りがあります。
家庭や学校などで、飾りつけをしたことがある方も多いかと思います。また、町を歩いていてふとなにかの飾りを見たときに「もうそんな時期か」と気づかされることもあります。

作業療法では、この「もうそんな時期か」を利用し、患者さんに季節を感じて頂けるよう、季節の飾りつけを行っています。
活動の中で、認知症の方で日付が分からなくても、飾りつけを見ると「お雛様やな」「たなばたやな」などと言われる事があります。そのような場面を見ると、その方の中には懐かしい思い出がしっかり残っていることが感じられます。このような患者さんの反応は、次はどのような飾りにしたら喜んでもらうことが出来るかと、飾りつけを考えるモチベーションにもつながります。

さて今後の飾りつけですが、今は8月の夏祭りに向けて画用紙で作成できる提灯を製作中です。
もうすでにいくつか出来上がっていますが、それを見た患者さんからも「お盆の提灯やろ?」などの声が聴かれており、しっかり季節感が伝わっているようでうれしく思います。
夏祭りの時には、この提灯を部屋いっぱいに吊るし、楽しい雰囲気を演出できたらと思っています。 皆で作った提灯の下で炭坑節を踊るのが、今から楽しみです。