大池病院たより

2013年8月15日

「一般食」と「特別食」

前回のコラムでは、大池病院の食事には大きく分けて「一般食」と「特別食」があり、食形態は「形」「一口大」「キザミ」「ミキサー」「ゼリー」の5種類があることをお話ししました。今回は、もう少し詳しくお話ししたいと思います。

一般食は特別な制限が無いので、年齢や食形態に合わせて提供しています。特に問題の無い患者さんには常食を提供しています。軟らかい食材が好ましい患者さんには全粥食を提供しています。常食と全粥食が対応している食形態は、何も手を加えない状態の「形」と、食べやすい大きさに切っている「一口大」です。
飲み込むことや噛むことが難しい患者さんには、キザミ食を提供しています。食形態は「キザミ」で、食材を細かく刻んでいます。キザミ食でも食べにくい患者さんには、ミキサー食を提供しています。食形態は「ミキサー」で、ペースト状になっています。それでも食べにくい患者さんには食形態が「ゼリー」のゼリー食の提供が可能です。

特別食はその疾患に応じた制限のある食事のことで、疾患によってカロリー制限があったり、控えなければならない栄養素があったりします。糖尿病の場合、患者さん一人一人の摂取カロリーが違いますので、糖尿食は1200kcal、1400kcal、1600kcal、1800kcalの4種類を提供しています。他の食種も同じように、数種類に分かれています。
現在、特別食の食形態は「形」「一口大」「キザミ」で、患者さんの飲み込みの状態や歯の状態に合わせて選択できるようになっています。

「一口大」は以前は無かった食形態です。「形」と「キザミ」の間にもう一段階あれば、患者さんの飲み込む力や噛む力をより保てるのではないかということで、新たに増えた食形態です。
「キザミ」は以前は刻んだだけのものを提供していました。細かく刻んだものは、口の中で食材がバラバラになってしまって食べにくいという意見を受け、対策としてあんをかけるようにしました。すると、食材が口の中でまとまりやすくなり、食べやすくなったという声を頂くようになりました。

このように、患者さんや病棟スタッフの意見を大切にし、よりよい食事が提供できるように、日々努力しています。